こんにちは。保険代理店サークルの菊地季美子です。

今年の8月13日から14日にかけて発生した千葉豪雨により、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。加えて、犠牲になられた方々へのご冥福をお祈りいたします。

今回のコラムでは、豪雨などによる水害が起きた時に命を守るための方法、水害に備えてできる対策について解説します。

豪雨で大規模な水害が起きた理由は?

今回の千葉豪雨による水害は、2つの原因が重なったことによって起きました。

まず挙げられる原因は気象条件です。簡単に解説しますと、千葉県上空で暖気と冷気がぶつかったこと、積乱雲が連続発生して千葉県上空を何度も通過したことで、線状降水帯ができておよそ8時間も続いた豪雨になりました。

もう1つの原因は、雨水の量が下水道の処理能力を超えていたことです。今回の千葉豪雨では24時間降水量が200ミリを超える記録的な大雨となりました。特に千葉市では、8月の平年の1カ月の降水量の3倍以上となる360ミリを超える降水量を観測し、観測史上1位を更新しました。*1

都市部はアスファルト舗装された道が多いので、雨水が地面に染み込みません。行き所のない雨水は側溝などに流れ込み、そこから下水道を通って川や海に排水されます。しかし、雨水が突然大量に流れ込んだり、落ち葉やゴミなどが入って流れが詰まったりすると、行き場を失った雨水が市街に浸水して水害が起こります。これを内水氾濫と言います。

各市区町村では水害ハザードマップをwebなどで公開していますが、ハザードマップで危険とされるのは河川の氾濫(外水氾濫)を想定したものです。内水氾濫は気象条件によるところが大きいので、ハザードマップには載らない想定外の水害です。ウェザーニュースが実施したアンケートによると、今回の千葉豪雨では2人に1人がハザードマップの浸水想定区域外で被災したと回答が出ています。*2

ちなみに、内水氾濫などの水害の種類については過去のコラムでも触れています。

水害の季節が到来!身を守るために知っておきたい知識

こんにちは。保険代理店サークルの菊地季美子です。 6月は梅雨の季節です。梅雨前線の影響で大雨が降ることが多い時期です。梅雨が明ける7月から10月は台風の季節で、10月…

*1 国土交通省 令和 8 年 8 月千葉豪雨による被害状況等について(第 4 報)

*2ウェザーニュース 2026年8月15日記事:令和8年8月千葉豪雨、2人に1人が浸水想定区域"外"で被災か 〜ウェザーニューズ、記録的大雨の浸水被害報告2万件を分析〜

豪雨の時にやってはいけないこと

大雨や台風のときには、気象庁が注意報や警報、特別警報を発令します。気象庁の発令をもとに各市区町村が発令するのが避難情報です。原則としてその発令に素直に従うのが一番安全です。

とはいえ、突然押し寄せる大量の水を目の前にして冷静に行動できる人は少ないでしょう。でも、どんなに慌てていてもやってはいけない危険な行為がありますのでご説明します。

  • 水に触らない、水の中に入らない:よくあるのが畑や河川の様子をちょっと見に行く、家の外にあるものをちょっと片付けるといったケースです。雨水の中を歩いた時、もしガラスなどでケガをしてその傷に泥土やバイ菌が入ると、感染症や破傷風という病気にかかる恐れがあります。雨水はゴミだけでなく虫や動物の死骸なども混じっていてとても不潔です。さらに、もし近所に工場などがあると有害な化学物質が流出している恐れもあるので大変危険です。
  • 冠水した道路は絶対に歩かない:足元が見えない道路ではマンホールや側溝のフタが水圧で浮いて穴が空いてしまっていることがあります。もしマンホールに落ちてしまうと溺れてしまう恐れがあります。
  • 自動車でも冠水した道路は走らない:たとえ自動車でも、上記のようにマンホールや側溝が空いていると車体がはまってしまう恐れがあります。浸水で電気系統がショートすると車が動かなくなりますし、窓も開けられなくなります。水圧でドアが開かなくなったら脱出できなくなるので大変危険です。
  • 無理な屋外避難はしない:自宅や職場などにいて浸水してしまったときは、無理に屋外避難をせず、建物のなるべく高い所へ移動する垂直避難をしてください。
  • 地下室や地下鉄の駅には留まらない:水は上から下へ流れ込みます。たとえ扉があったとしても、水圧でドアが開かなくなって閉じ込められてしまったら大変危険です。もし地下にいたら速やかに垂直避難をしてください。
  • エレベーターは使わない:自動車と同じく浸水で電気系統がショートすると、エレベーターが動かなくなって閉じ込められてしまいます。
  • 自宅のブレーカーを上げたり家電を動かしたりしない:たとえ水が引いたとしても、電気系統を触ると漏電や感電の恐れがあります。安全が確認できるまで電気系統には触ってはいけません。

水害に備えてできる対策は?

日本ではさまざまな自然災害が起こりますが、今回は特に水害に特化して備えておきたい対策を挙げました。

  • 自宅の排水溝・側溝はいつも掃除して水はけを良くしておく:清潔にしておけば水が詰まることも虫や雑草が沸くこともありません。
  • ベランダの物干しピンチやハンガーはいつも収納ボックスに入れておき、豪雨になりそうなときはボックスごと室内に入れる:面倒でもピンチやハンガーをいつも片付けておくと、日焼けせず長持ちするので一石二鳥です。
  • 玄関の宅配ボックス・ゴミ箱・庭の鉢植えなども、豪雨や台風が来る前に室内に入れる:水に流されたり風で飛ばされたりするのを防げます。
  • 水のうを使って浸水を防ぐ:水のうは浴室・トイレ・洗濯機の排水口・玄関に置くと効果的です。
    水のうの使い方についての過去お知らせ
大雨等による水災害に備えて

急な豪雨等により、水位が急激に上昇⇒下水管が満水になる⇒下水が逆流する⇒ 逆流した下水がトイレや風呂場、洗濯機の排水口などから吹き出る ことがあります。 そのような…

  • 止水板を使って浸水を外からガードする止水板はいろいろなメーカーで作られていて、好きな高さや幅が選べます。大きな商品なのでホームセンターなどでは売っていないようです。各メーカーの実験動画などを参考にして選ぶと良いでしょう。
  • 防災用品・非常食を用意しておく:飲み水や非常食のほか、細かい生活用品も必要です。種類ごとにジップロックに入れておくと防水効果が高いのでおすすめです。
    ↓防災用品についての過去コラム
自然災害が起きたら生活はどうなる?知っておきたい公的支援制度

こんにちは。保険代理店サークルの菊地季美子です。 2024年10月から火災保険の保険料が値上がりしました。正確には、保険料の計算に使う料率(参考純率)が全国平均で13.0…

もし急な豪雨で車の中に閉じ込められたら?

今回の千葉豪雨で水没した車両の数はおよそ2,800台にも及ぶそうです。*3

急な豪雨によって水位が急激に上がると、車の外から強い水圧がかかります。水深60cmほどになると車のドアは水圧で開けられなくなってしまうのです。こうなる前に車を置いて避難できるのが一番良いのですが、パニック状態ではスピードの速い車を使って逃げようとする判断をしがちです。お子さんやペットがいればなおさらです。

しかし、車体が水没してしまうと電気系統がやられてしまうので、走れないどころか窓も開けられなくなってしまいます。車体が完全に水没すれば外と中の水圧の差がなくなるのでドアは開けられるようになりますが、その前に命のほうが危ないでしょう。

もし車が水没して車内に閉じ込められてしまった時のために、緊急脱出用ハンマーを備えておくことをお勧めします。シートベルトがロックされて外せなくなる恐れもあるので、シートベルトカッター付きのハンマーが一番安心です。

選ぶ目安は国家規格(JIS D 5716)の適合品のハンマーです。参考までに、JIS適合品の緊急脱出支援用具『消棒ライフセーバー』(リンクをご紹介させていただきます。実用例の動画もあるのでおすすめです。
もしハンマーがない状態で車内に閉じ込められてしまった場合、座席のヘッドレストの金具部分を使ってガラスを割る方法もあります。*4

ちなみに、ハンマーなどで割れるガラスはサイドガラスです。フロントガラスではありません。フロントガラスは合わせガラスという2重構造になっていて、ガラスの間に樹脂フィルムが貼られています。これはガラスの飛散防止のためにあるので、ハンマーでは破れないため脱出口を作ることはできません。映画などでフロントガラスを蹴り破るシーンはあくまでも演出です。一般人がハンマーで割れるのはサイドガラスだけです。

*3 千葉日報 2026年8月17日記事:【速報】危険な放置車両、全830台移動完了 全体数は少なくとも2800台 千葉豪雨

*4 岡山市 車内に閉じ込められた…そんな時に役立つ緊急脱出方法!!

おわりに

これまでのコラムで自然災害について何度か触れてきましたが、今回の千葉豪雨では命だけでなく生活インフラへも相当な影響を及ぼすことを改めて身に染みて感じました。8月27日には石川県・富山県にも大雨特別警報が発令されました。天候が不安定な昨今、水害は決して他人事ではありません。

サークルでは自然災害に備えられる損害保険についてのご相談を承っております。自動車保険では水没などによる車両の補償、火災保険では床上浸水などによる家屋・家財の補償があります。ホームページのお問い合わせまたはお電話でお気軽にご相談ください。